イギリスのEU離脱につきまして
6月24日は多くの投資家にとって、歴史的な日となったことでしょう。イギリスが国民投票を終え、EU離脱を決定しました。おそらく、さまざまな疑問や心配をお持ちの投資家の方々も少なくないはずです。このため、皆様の安心の一助となりますよう、私の観点を共有させていただければと思います。
短期的影響について
短期的な見解では、イギリスで新たに総選挙が行われる可能性が高く、英ポンドは今後も圧力を受けて大幅に変動すると見られ、イギリスの資産を保有している場合は、この先ある程度圧力を受ける可能性は避けられないでしょう。しかし実際のところ、特にアジア圏の投資家にとってみれば、イギリスはずっと前から国際経済としての基礎を成していないと言えます。このため私どもはアジア経済に深刻な影響が及ぶ可能性は非常に低いと見ております。
EUの動きにつきましては、イギリスが主要貿易国であることから、イギリスのEU離脱の過程で更なる論争が巻き起こる可能性も避けられず、ユーロ為替相場の変動も避け難いでしょう。ユーロ圏の貿易および経済の不安定性は激化すると見られ、短期の内はいかなる視点であれ、あまりにも楽観的な期待を寄せるべきではありません。
アジア太平洋エリアでは、アジアの通貨高騰は避けられず、経済パフォーマンスの基礎とかけ離れた相場になることが懸念されます。事実、日本円は今回の要因で大幅に上昇しており、日本の資産に今後ブラック・スワン(誰しも予想しなかった危機的現象)がもたらされ、投資家達が早急なリスク分散に動くと見られます。
長期的影響について
イギリスのEU離脱で、まさに世界一体化の夢は破滅してしまいました。私どもはより多くのEU加盟国が、続々と離脱是非を問う国民投票を行う可能性が高いと見ており、いくつかの国々で残留・離脱の決定がなされていった結果、最終的にEUグループはより一層ドイツ経済の色が濃くなるでしょう。欧州は一度洗礼の過程を経る必要があり、その後ようやく安心した投資が行えるようになると見られます。
世界経済はまだ想定されるほど大きな影響をもたらしていないかもしれません。なぜなら欧州とイギリスの経済体系は、これまでもずっと主要な焦点ではなかったからです。むしろ、派生する金利の変動や資金が流れる方向性が、最も探求するべき問題に値します。
テンガードのポジショニング
私どもは2週間以上前に、ファンド・ポートフォリオの再配置を事前に行い、現金保有50%ほどでの調節を完了しております。アグレッシブ型の株式ポートフォリオにいたりましては、私どもは指数と逆張りの製品関連銘柄を買い入れており、下落相場におけるリターン上昇ならびに他の銘柄の下落リスクとのバランスが取れることが期待できます。私どものポートフォリオのリターンにさほど大きな影響は出ないと予想しておりますが、これからも慎重に観察し適切な調整を行ってまいります。
以上の事から、ご契約中の皆様におかれましては私どものポートフォリオ運用に過度なご心配をいただく必要はございません。私どもはこれまでと同様変わりなく、ご契約者様のリスク許容の範囲内で投資が行える状態を確保し、安定成長に努めてまいります。
2016年6月24日付コメント テンガードグループCEO リッキー・ガンCFA
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