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米失業率による利上げは中港経済にとって悪材料

 2014.5.5 

4月の米国失業率は6.3%に低下、非農業部門就業者数(Nonfarm payroll employment)は前月比約28.8万人増と大幅な上昇となり、いずれの指標も市場予想を上回った。多くの人々が職を得たものの、長期失業者数も多い。一般的に、労働市場から長期に渡り職を得られない人はますます就業は難しいと言われており、米国は指標に反映しきれていない失業問題を抱えている可能性がある。今年初め、米国は深刻な寒波に見舞われ、経済活動に一定の影響を及ぼした。天候が安定するにつれ、経済活動も正常に回復したため、4月の非農業部門就業者数の大幅増の要因になったと見られる。指数が天候の影響を受けたかどうかに関わらず、28万人以上という雇用者数の増加は間違いなくインパクトとのある数値と言える。米雇用統計の発表後、米国会が利上げを早めるか否に市場の注目が集まっている。

滬港通

イエレン氏が何度も表明しているように、米FRBは単に失業率データ如何で利上げ時期を決定する事はなく、長期失業の状況や、不完全雇用率、インフレ率などの局面からも要因を考慮するとしている。多くの米国人が長期にわたり職を得られず雇用市場から離脱しているため、失業率が6.3%に低下したものの、早期利上げに踏み切るにはまだ後押しが足りないと見られる。しかし、もし今後も非農業部門雇用者数が毎月20万人以上の増加となれば、FRBが早期利上げに踏み切る可能性が出てくるはずだ。なぜなら、徐々に多くの人々が職を得られるようになった際、個人の消費意欲が増加し、物価上昇圧力が生まれてくる。そこで物価の安定を確保するべく、FRBは早めの利上げに迫られるであろう。

香港ドルは米ドルペッグ制:リンクド為替相場制度による制限を受けるため、ひとたび米国が早期利上げとなれば、香港も追随して利上げとなる可能性が極めて高く、資産価値は否応無く圧力を受けよう。また香港だけではなく、中国本土も同様に圧力を受けることになる。ここ数カ月、人民元は続落傾向にあり、中国から資本が流出しつつある事が反映されている。もし米国の利上げ圧力が増せば、より多くの資本が中国本土から流出するであろう。中国本土の不動産市場ではすでに調整が見られ、加えて中国人民銀行(中央銀行)が再び金融引締め策を実施していることから、より多くの資金流出が上述の状況を悪化させている。中国・香港にとって、米国の早期利上げは確実に悪材料なのだ。

2014年5月5日

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