Home » 海外投資/Investment » 米国経済指標は善し悪し半々

米国経済指標は善し悪し半々

 2014.1.23 

毎月第一金曜日に発表される米国非農業部門雇用者数(NFP:Non-Farm Payrolls)は、米労働市場を評価する最も重要な指標の一つです。今月(1月10日)発表のデータによりますと、米国は12月に非農業の新たな就業人数がわずか7.4万人増となり、予想の19.6万人を大きく下回りました。ここ3年来となる最小の上昇幅となったため、米労働力市場に対する先行き不安の再燃を引き起こしてしまいました。異常気象が主な要因として挙げられるでしょう。米国の大部分のエリアが20年ぶりの大寒波に見舞われ、交通や電力供給が深刻な被害を受けたことで、大量の就業希望者が寒波を避けるべく職探しを中断したと見られます。つまり、非農業部門雇用者数の減速は短期的な現象であると見られ、それ以上の意味を表してはいません。この先次第に気候が穏やかになり正常な生活になれば、労働市場は活力を取り戻すと見られることから、この先数カ月間のデータが非常に重要となります。

米国経済指標

本来は落ち着きを見せていた市場もさすがに雇用統計の発表後に大きめの変動が見られ、ドルインデックスは大幅下落し、国債利回り及び金価格は上昇、ダウ指数は翌月曜日(1月13日)に暴落となりました。このことから、マーケットが就業状況の低迷をQE縮小進捗の懸念材料と見なしていることが明らかになりました。米国がいつQE縮小に踏み切るのかが2013年で最も重要な焦点であったことから、2014年の焦点は縮小スピードの加速度に焦点が当てられるでしょう。もし米国経済に継続した回復が見られない場合、QE撤退のペースは減速するか一時停止に至る可能性もあり、相反して加速する可能性も確か有りますが。今回の非農業部門雇用者数のデータによる株式市場の下落はおそらく前者の状況でしょう。しかし実際には、経済の回復状況はその他の様々な指標も合わせて判断するべきであり、非農業部門雇用者数のデータはその中のたった1つに過ぎないのです。

非農業部門雇用者数に失望した投資家も多いでしょう。しかし今月はその他にも好調な経済指標が発表されました。米12月の小売売上高は、自動車などを除いたコアベースの売上高で0.7%増と、予想を上回ってここ10カ月で最大の増加率となり、消費がある程度回復していることが表れています。加えて、失業率は6.7%へ低下、5年来の最低水準となり、米FRBの掲げる目標値6.5%の金利引き上げ条件に近づいています。これらのデータは、就業状況に好転が見られなくても、全体的な景気回復も同時に継続していることから、非農業部門雇用者数のの不調だけで状況が大きく変わることはありません。そのため、この先QE縮小ペースが大きく変化する可能性は低く見積もられ、今後も毎月100億ドルの縮小ペースで実行される見込みです。市場が指数発表による材料を消化後、株式市場や債券及びドル指数はじきに落ち着くと見られ、米国経済回復の先行きは今後も楽観視できるでしょう。

香港で海外投資マニュアルManual

海外投資家初心者に失敗しないためにも、オフショア香港の投資用語や意味を解説します。

  • 投資資産 / Investment Assets
  • 株式 / Equities
  • 金融派生商品 / Financial Derivatives
  • 不動産 / Real Estate
  • 低流動性投資 / Low Liquidity Investments
  • 投資ファンド / Investment Funds
  • 生命保険及び年金 / Life Insurance and Annuity

  • This entry was tagged , . Bookmark the permalink.

    免責事項・投資のリスクに関わる表記

    HSBC.口座開設投資セミナーお積み立てシュミレーション

    メールでのお問い合わせはこちら
    香港.IFA.資料請求
    香港IFAテンガードには、日本人スタッフが常駐しております 香港IFAテンガードには、日本人スタッフが常駐しております
    ページトップへ戻る

    Twitterボタン

    Copyright(c) 2014 投資.com.hk All Rights Reserved.