‘Deflation/デフレ’
2015年マーケット達観
2014年の政治的、経済的な混迷が続いた気がつけばもう師走を迎え、基本的の投資のリターンとロスを確定しつつある。来年の見通しではマーケットに影響する不確実性(リスク)がまだ多く、投資家にとってリスク管理を怠れない状況が続いている。原油価格の暴落を受けロシア経済が厳しい局面に陥り株式市場や通貨ルーブルが大幅に下落している。財政悪化に伴い、来年のロシア政府デフォルト発生の可能性も視野に入ってくることになる。国際舞台において、ロシアの変動が世界中に連鎖するため、かりに不安定化ともなれば、世界の国際政治バランスにも大きなダメージが及ぶことになる。原油価格がこの先、短期間で上昇に転じることができなければ、来年のロシアの政局は投資市場の時限爆弾となってしまうだろう。 ロシアのほか中東情勢 ロシアのほか、原油価格の暴落はその他の産油国の構成にもダメージをもちろん与えている。多くの中東の国々の主な収入は原油であるため、価格下落ならびに需要減退は中東の産油国の財政収支に大きな影響を与えることになり中東は常々地政学的リスクを抱えているため、原油価格の低迷が国家間の衝突や対立の激化をもたらす可能性もあろう。つまり、地政学的リスクは来年におけるもう一つの重要な投資リスクとなる。 このほか、産油国は原油輸出の収益の一部を投資市場にまわしてきたため、貿易よる収益減少は金融市場の「オイルマネー」が減少する可能性がある。石油関連の投資商品の売買でロスを出した投資家に至ってはリスクオフの行動からその他の投資購入に動く可能性がある。 世界のデフレリスク 原油価格下落および米ドル高が大幅に商品価格を反落させたことで、中国、欧州、日本等が景気後退に直面しており、来年2015年は世界の経済にデフレの影が覆うと予想する。 デフレリスク上昇に従い、上述の経済体系は来年更なる金融緩和を実施する可能性が極めて高い。加えて米利上げの可能性が有ることから、中欧日等からキャリートレードのマネーが米国へ流れる可能性が非常に高い。もし大規模な資金が継続して米国に向かうような場合、米ドル以外の通貨はすぐさま通貨安の圧力に直面することとなり、非米ドル資産の価値にもマイナス影響を与えてしまうだろう。 2014年12月10日