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‘China/中国’

円安と同様、人民元にも通貨安圧力

2014-12-15

人民元の預金者を獲得するため、中国国内の銀行は近年相次いで高金利による預金者の囲い込みに専念してきた。中国政府の政策金利を引き下げにともない、現地の人民元の預金利回りはすでに頭打ちになっていると見られ、この先高金利から下落する可能性がある。為替改革以来、人民元はすくなからず変動が続いており、多くの預金者と投資家が、人民元の大きな人民元安はありえないと見ている。実際のところは、いかなる国の通貨であろうとも通貨安の可能性は拭いきれず、特に経済が低調傾向にある場合には、通貨価値が下落するのがセオリーとなり可能性が高まるため、人民元が大きく下落するはずが無いとみるのは非現実的であろう。 人民元の引き下げは多いにありうる かねてより中国経済が不調となる際には、中国人民銀行(中央銀行)による「放水」(量的金融緩和)の可能性に焦点が集まってきたが、中央政府がインフラ建設投資を拡大させるか否などが焦点となるなか中で、人民元の為替相場は往々にして見落とされがちとなっている。事実上、経済を調整するには通貨はそのルーツの一つであり、直近の経済環境の下で、中国が人民元を適度に引き下げる可能性は大いにある。加えて、李克強首相は過去に何度も中国経済の市場化促進を掲げており、市場化という目標を実現するには、経済サイクルに合わせた人民元の上下変動を容認する事も必要となってくる。 人民元の通貨供給量は120兆元 経済要因が人民元安圧力をもたらしたほか、中国の近年の大量な「放水」もまた人民元安を誘発する要因となっている。リーマンショック後、欧米日等の国々では相次いで量的緩和を実施し、経済のはどめとなるよう、中国もまた量的緩和の流れに加わったのだが、あるデータによると、中国の通貨供給量(M2)は今年10月末で120兆元にまで達しており、欧米日を上回っているだけでなく、2007年と比較しても80兆元の増加となっているのだ。通貨供給量(M2)が急増しているにも関わらず、中国本土経済は不調に陥っており、資金が需要のあるレイヤーまで届いていない事が反映されている。 2014年11月27日

リスクをはらむアジア株式市場-世界の株価為替先物チャート

2014-12-10

急上昇の後いったん大幅安の中国株 (SSEC 上海総合指数) 昨日9日は急落したものの中国の株式相場は2013年の最高値を突破後、300ポイント以上の大幅上昇を見せて8日には3年7カ月ぶりの高値を付けていた。移動平均線も、長期移動平均線を上昇突破している。中国政府の利下げなど経済刺激を打ち出す中、日本と同様に景気減速が続く一方で、株高という状況。昨日9日は当局のレポ市場から高リスク債の規制から一転下落となっており、注意が必要。 韓国株のトレンドは変わらず (KOSPI 韓国総合株価指数) 連日の中国株式市場の盛況の追い風を受け、上海総合指数との株価連動性が高い韓国国内に上場している中国企業が連日急騰しており、中国のETFも上昇を続けている。9日コスピ指数は前日比8.00ポイント(0.40%)の下落となる1970.95で取引を終え、中国、日本などの景気指標不振と原油価格急落などの影響で2日連続の下げで取引を終えている。コスピ指数は昨年11月、1980ポイントを回復した後、9月に100日移動平均線を割り込んだ後、韓国の株式相場は弱勢。しかし、韓国の株式市場を振り返ると、これまで幾度も暴落後に反発しており、今回の下落が危険なものとなるかは未知数。 資源価格の下落がオーストラリアの輸出の下押し圧力 (AORD オーストラリア ASX) オーストラリアの株式相場は8月の高値を更新できず、100日移動平均線付近まで再下落。市場では原油価格や最大の輸出品目である鉄鉱石のような鉱物価格の暴落でオーストラリア経済の先行きが懸念されており、オーストラリア準備銀行(RBA)の来年利下げの実施の有無が今回のトレンドの行方を決定すると見られる。 2014年12月10日

IFA-Hongkong-TENGARD投信ファンドの運用成績2014-11-14

2014-11-14

租税回避地の香港オフショア海外投資家の皆さんいかがお過ごしですか。 円安を伴う形で実質的に円建て資産が目減りしている昨今、ここ香港で日本の政情や経済、個人の将来に対して信用できない方が多く購入しています。 香港で購入できるファンドはもちろんに日本から見ると外国籍ファンドとなり、当然外貨建ての購入、運用、払い戻しが外貨建てということです。 さて、外貨と言えば世界での取引量が急速に増加している通貨人民元RMBであるが、今月の17日人民元の両替限度を廃止する計画があると香港の現地メディアが13日報じている。 香港金融管理局(HKMA)は、香港と中国本土の上海株式市場のクロストレードを可能にする制度、「滬港通(フーガントン)」を実施するにあたり、世界最大のオフショア人民元取引のハブである香港を強化する狙いがある。 2012年から一日2万元の人民元両替限度を適用してきたが、滬港通(フーガントン)の利用によって人民元を利用した株式取引増えることに備えて両替限度を廃止すると香港メディアが伝えている。 17日滬港通(フーガントン)が始まると、香港取引所の投資家は、上海A株の優良企業568銘柄に投資することができ、A株の取引と決済は人民元で行われることになる。 Hongkong IFAのテンガードの2009年1月1日より本年度11月7日 2009年1月1日から今年2014年11月7日までの弊社TENGARD(テンガード)のオフショアでの投資信託ファンドの運用成績を公開いたします。 海外・投資信託積み立て投資 A – AGGRESSIVE 71.73% B – GROWTH 50.06% C – BALANCED 41.57% 海外・投資信託一括投資 A – AGGRESSIVE 207.91% B – GROWTH 124.41% C – BALANCED 94.15% 2014年11月14日

IFA-Hongkong-TENGARD投信ファンドの運用成績2014-11-14

2014-11-14

租税回避地の香港オフショア海外投資家の皆さんいかがお過ごしですか。 円安を伴う形で実質的に円建て資産が目減りしている昨今、ここ香港で日本の政情や経済、個人の将来に対して信用できない方が多く購入しています。 香港で購入できるファンドはもちろんに日本から見ると外国籍ファンドとなり、当然外貨建ての購入、運用、払い戻しが外貨建てということです。 さて、外貨と言えば世界での取引量が急速に増加している通貨人民元RMBであるが、今月の17日人民元の両替限度を廃止する計画があると香港の現地メディアが13日報じている。 香港金融管理局(HKMA)は、香港と中国本土の上海株式市場のクロストレードを可能にする制度、「滬港通(フーガントン)」を実施するにあたり、世界最大のオフショア人民元取引のハブである香港を強化する狙いがある。 2012年から一日2万元の人民元両替限度を適用してきたが、滬港通(フーガントン)の利用によって人民元を利用した株式取引増えることに備えて両替限度を廃止すると香港メディアが伝えている。 17日滬港通(フーガントン)が始まると、香港取引所の投資家は、上海A株の優良企業568銘柄に投資することができ、A株の取引と決済は人民元で行われることになる。 Hongkong IFAのテンガードの2009年1月1日より本年度11月7日 2009年1月1日から今年2014年11月7日までの弊社TENGARD(テンガード)のオフショアでの投資信託ファンドの運用成績を公開いたします。 海外・投資信託積み立て投資 A – AGGRESSIVE 71.73% B – GROWTH 50.06% C – BALANCED 41.57% 海外・投資信託一括投資 A – AGGRESSIVE 207.91% B – GROWTH 124.41% C – BALANCED 94.15% 2014年11月14日

国外へ目を向ける中国企業

2014-11-10

近年、中国本土の指導者はたびたびセールスマンとしての役柄を担っている。習近平国家主席は「一帯一路構想」(「シルクロード経済帯」と「21世紀海上シルクロード」の建設)を打ち出し、また李克強首相は中国の鉄道および原子力発電産業の販売を海外に広げ、これらは中国版「マーシャル・プラン」であると言われている。では中国版「マーシャル・プラン」とは何だろうか?簡単に言えば、中国の「国外進出」政策のプランの一部であり、企業の国外進出を促すことで中国の生産能力過剰問題を消化するのが主な狙いだ。この他、中国本土企業の「国外進出」を加速することで、人民元の国際化および国際舞台における中国の影響力拡大に役立つと見られている。 新興国と協調し復興計画中国版マーシャルプラン 今年7月、中国はBRICSのその他4カ国と共に「BRICS開発銀行」の設立に合意、BRICS開発銀行の主な役割はBRICS各国及びその他開発中の国家発展インフラ建設への出資援助だ。今年10月までに、中国をはじめとする21の国々がアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に合意しており、中国は最大出資国となっている。ここまでの段取りを見ると、中国は国外へのインフラ建設の輸出及び資本のプラットフォームをすでに構築し、中国版「マーシャル・プラン」の準備が整ったことが反映されている。アジア開発銀行(ADB)は、2010年~2020年の間にアジア・太平洋地域のインフラ建設の資金需要はおよそ8兆米ドルに達すると予測しており、巨大なインフラ建設需要は中国が推進する中国版「マーシャル・プラン」の契機になると見られる。 マーシャルプランで生産過剰問題を解決補助金の有無がカギ 中国版「マーシャル・プラン」によって、中国が生産過剰問題を解決できるか否か、その中のキーポイントの一つは、中国政府がどのように補助政策を実施するかだ。中国国内企業の国外進出を奨励するには、政府は企業に補助金を提供しなければならない。政策による補助のもと、補助金を得る事を目的として生産過剰を維持する企業が出てくる可能性も否めない。もしこういった情況が現れれば、中国の生産能力過剰問題は企業の国外進出による解決を見込めなくなるだろう。いずれにしても、中国企業の「国外進出」はすでに大局の赴くところとなり、インフラ建設に従事する企業が主に利益を得る者となろう。 2014年11月10日

NYダウが17000回復-世界の株価為替先物チャート

2014-10-29

(INDU NYダウ工業株30種) NYダウは前日比187.81ポイント(1.12%)の17,005.75となり1万7千ドル台を回復。ナスダック指数は78.36ポイント(1.75%)高の4564.29を記録した。S&P500も23.42ポイント(1.19%)上げとなり1985.05とし約1カ月ぶりに50日移動平均線を上回って引けた。NYダウ指数は大きく反発しているがデッド・キャット・バウンス(Dead Cat Bounce)となる可能性があるので注意が必要。 この日発表された米国の経済指標は市場で食い違う評価を受けたが、10月の米消費者信頼感指数が2007年10月以来の7年ぶりの高水準となり株式投資家の注目を集める一方、嫌気売りのため米国債相場は反落。米5年国債利回りは急落しており、市場のリスク意識が明らかに高まっている予兆で、株高を受けて株式に比べ安全資産とされる国債の需要は後退している。 中国の規制解除を願うFacebook (Facebook Inc フェイスブック株) フェイスブック(Facebook)CEOザッカーバーグ氏が北京の清華大学で中国語での質問に中国語で答えるに会場が沸いた。中国内のビジネスは潜在力が無限大で、SNSのグローバルな優良株化を狙う。 2014年10月29日

先週の世界同時株安を受け-世界の株価為替先物チャート

2014-10-21

先週の大きな崩壊が見られたダウジョーンズ指数であったが、これまでの何度かの暴落はいずれもすべて急速に回復している。現地時間20日、ニューヨークのダウジョーンズ工業株平均は前日より19.26ポイント(0.12%)高の16,399.67で取引を終了。スタンダード•アンド•プアーズ500(S&P 500)は17.25ポイント(0.91%)の上昇で1904.01、ナスダック総合指数は57.64ポイントで1.35%上昇となる4316.07で終了。この日、IBMの業績の下方修正を受けて下落となったが、取引終了後に発表されるアップルの業績への好感から小幅な上昇となった。債券市場では、米国債価格が上昇した。欧州経済が米経済の足かせになるとの懸念に加え、米連邦準備理事会(FRB)が来年終盤まで利上げしない との見方が強まったことも追い風となり、先週の大暴落はオオカミ少年のストーリーのようになるのだろうか? リスク管理として分散投資 / Diversificationの重要性 先週の世界の株式市場が大崩壊後、昨日の20日、国際原油価格はOPECが減産をしていないという見通しが広がり下落となり終了となった。NYMEX、11月引き渡し分のウエスト•テキサス•原油(WTI)は、前取引日より4セント(0.05%)安の82.71ドルで取引を終えている。 金価格は3日ぶりの上昇に転じた。この日のニューヨーク商品取引所で12月物金価格は、前取引日より5.70ドル(0.5%)高のオンス当たり1244.70ドルで取引を終えておりゴールド関連ファンドは依然として弊社ポートフォリオの重要な役割を担う。 好調を継続する中国株式市場 先週の世界同時株安を受けて、今週20日の中国本土市場は上昇からのスタートとなった。主要指標の上海総合指数は、前営業日比15.54ポイント(0.66%)高の2356.73ポイントと3日ぶりに反発となっている。 2014年10月21日

中国本土人民元7ヶ月ぶりの高値に対し株式市場は反落

2014-10-17

中国人民元の対米ドルで上昇が続いており、7カ月ぶりに最高値を記録した。 中国外国為替取引センターは昨日16日、1米ドル=人民元の中間レート(基準価格)を前日より0.0060元を下ろし6.1395元に設定すると通知した。 対ドル人民元レートは、7ヶ月前の3月19日の6.1351として以来7ヶ月ぶりに一時は6.1209元と更新した後に、6.13元台に戻す格好となった。対米ドルの為替レートの変動は人民元の価値が上昇したことを意味している。 人民元の対米ドル相場は今年2014年に入って中国本土の景気減速懸念が出てきたことにより人民元の下落基調であったが、先月9月から人民元が上昇し始め、上昇トレンドが続いていた。 また、13日、中国税関総署が発表した9月の貿易統計によると、米ドルベースでの輸出は前年同月に比べ15.3%増と、2桁の伸びとなり、9月の金融統計が発表され、融資が予想以上に伸びおり、アナリストは、「良好な中国のマクロ経済と金融統計が元高に、特に中国の9月の輸出が急増するなど、貿易状況が好転し、人民元の価値上昇のエンジンとして作用している」と説明している。 一方、上海総合指数は前日より17.17ポイント(0.72%)安の2,356.50で、深セン成分指数は87.44ポイント(1.07%)下落しし、110.69でそれぞれ取引を終えている。 2014年10月17日

アジアス及びスタンダードライフのプラン本年度運用レビュー

2014-10-16

欧州経済の停滞や中国本土のディスインフレ、米国の国債の利回りの低下によって世界的な低金利が長期化する兆候が増しています。 資本が米国債に ヨーロッパ経済の不振を要因とする米国債にグローバル資本が集中し、15日には10年債の利回りは取引開始と同時に急落を見せ、心理的支持線である2.0%を割る1.9%台まで落とし1日としてはここ5年あまりで最も大幅に低下しました。この2%台を割り込んだのは実に、昨年6 月 以来、1年4ヶ月ぶりとなり、30年国債の利回りとなり1年5ヶ月ぶりの水準となっています。 9月の米国小売売上高は前月に比べて0.3%減少し、8ヶ月ぶりに初めて減少傾向を見せるなど、最近のヨーロッパから世界的な景気低迷の懸念が米国経済にも大きな影を落としている。 また、ギリシャ国債10年利回りは再び7%台に上昇し、リスクオフの投げ売りが拡散されているではないかという不安感を増大させています。 米国のエボラ感染患者 さて、米国のダラスでは第二エボラ感染患者が出たという報道も米国経済の減速懸念を増大させ、ヨーロッパ経済の牽引役であったドイツが今年と来年の経済成長率を下方修正したうえ、英国の物価上昇率が5年ぶりの最低値に落ちるなど、ユーロ圏の経済不振が鮮明になりつつある。 この世界経済の景気の不確実性が高まり、米国連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ時期を遅らせること雰囲気が拡散された点も、米国債利回りの急落につながっています。 FRB高官は、目標値に達しないインフレ、過度なドル高、ユーロ圏から世界に伝染する景気低迷で、米国経済の見通しが不透明となり、利上げ時期を遅らせなければならないという立場を相次いで示している。 サンフランシスコ地区の連銀のウィリアムズ氏は14日、ロイター通信とのインタビュ-において、「インフレ率が1.5%以下で停滞するなら利上げ開始を遅らせることの論拠となる」とインフレがFRBの目標水準に回復されるまで、利上げはしないことを明確にしています。 Hongkong IFAのテンガードの2009年1月1日より本年度10月10日 香港IFAのTENGARD(テンガード)の2009年1月1日から本年度2014年10月10日にまでの海外ファンドのポートフォリオ・マネージメントの運用成績を公開いたします。 海外ファンドで自動積み立て投資 A – 積極型(AGGRESSIVE)  69.22% B – 50.63% 成長型(GROWTH)  47.44% C – 41.88% 平衡型(BALANCED)  36.86% 海外ファンドで一括・一時払い投資 A – 積極型(AGGRESSIVE)  205.39% B – 126.12%成長型(GROWTH)  122.15% C – 平衡型(BALANCED) 89.19% Ageas及びStandardLifeプラン本年10月9日までの運用レビュー 弊社ポートフォリオにも世界の経済や政治が投資運用にダメージを与える可能性を懸念する投資家が少なくありません。以下は本年度2014年の10月9日までの香港IFAのTENGARDの運用成績です。 A-アジアス(AGEAS)積立投資グロース型 [2.32%] B-アジアス(AGEAS)積立投資アグレッシブ型 [1.72%] C-MSCIワールド(世界の主要株式指数)[1.61%] D-アジアス(AGEAS)積立投資バランス型[0.63%] A-スタンダードライフ(StandardLife)積立投資アグレッシブ型 [4.69%] B-スタンダードライフ(StandardLife)積立投資グロース型 [1.98%] C-MSCIワールド(世界の主要株式指数)[1.61%] D-スタンダードライフ(StandardLife)積立投資バランス型[-0.35%]…続きを読む

米国利上げ実施は景気判断後

2014-10-10

先月のFOMCの議事録が公表され、委員の中にはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の修正と、金利動向が具体化される発言があった。テーパリングの終了予想が出始めたころから、利上げ時期の市場の予想が変化するたびに金融市場に著しい変動をもたらしてきている。誘発される不必要な変動を減少させ、出来るだけ早く市場心理を落ち着かせるためには、FRBはFF金利誘導目標を修正し、金利動向を具体化させる必要があるのだ。 米国をはじめ中国、欧州と日本の景気判断 世界全体を総合的に評価すると、世界経済全体の先行きは決して明るいとは言えず、米FRBの金融政策に影響を与えている。欧州では、多くの指標で欧州経済が再び大きな減速を始め、デフレと失業率の高さが経済回復の障害物となっている。中国といえば、本土経済が構造改革の段階にあり、この改革の成果の如何が将来的な分岐路となるだろう。構造問題が解決するまで、中国経済は依然として下降リスクに晒されよう。EUは中国の最大の貿易相手であり、欧州経済のリセッションは中国経済にも確実にマイナス影響を与える。欧州及び中国のほか、日本経済も同様に理想的な状況といえず、財政問題を解決する消費増税が、いったん経済に著しいダメージを与えている。一方、米国経済の方が明らかに好調と言え、利上げはもともと道理にかなった納得のいくものであるはずだが、欧州・中国・日本等のリセッションは米国経済も引きずれる可能性があるため、FRBは世界経済の先行きが好転した後にようやく利上げの実施となるのであろう。 リーマンショックの前であれ後であれ、世界経済の支配者であることは、米国株が近年絶えず最高値を更新していることからも瞭然であろう。経済も問題が表面化 すると、米国はドル安への誘導政策、つまりアメリカはドル札を好きなだけ自由に刷って世界にドルをばらまき他国へ問題を押し付けてきたのであるが、景気が回復してくると、四方八方にばらまかれたそのドル資金が再び米国へ流入し、金融政策で正常に戻ったダメージを相殺していまう。FRBにとって利上げが切迫したものであるかはともかく、今後もアメリカが引き続き世界の金融と経済の秩序を主導することには変わりはない。 2014年10月10日

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